PLSPMによるExcelでの顧客満足度分析
このチュートリアルは、XLSTATを用いてExcel内で偏最小2乗パス・モデリング (PLS-PM)の文脈の消費者満足度分析を実行する方法を示します。 context in Excel with XLSTAT.
PLSパス・モデリングの原理
PLSパス・モデリング(Partial Least Squares Path Modeling :PLS-PM)は、観測された変数と潜在変数の間の複雑な多変量関係(構造方程式モデル)をモデルするための統計的アプローチです。このモデルのファミリーは、一般に潜在変数を伴う構造方程式モデルと呼ばれます。 PLS-PM は、因果のメカニズムよりもむしろ最適な線形予測関係性を見つけようとし、したがって、因果仮説の統計的検定に対する予測関係性指向の発見プロセスの恩恵を獲得します。構造方程式モデルへのPLSアプローチに関するとても重要な2つの解説論文は、Chin (1998, より応用指向)および Tenenhaus et al. (2005, より理論指向)です。 PLS-PMアプローチで使用する推定潜在変数スコアは、消費者満足度指数を含む全体的な指標を計算するのにとても便利です。
XLSTAT-PLSPMを用いたPLSパス・モデリング
このチュートリアルでは、顧客満足度の分析の枠組みの中で、プロジェクトの作成、モデルの定義、パラメータの計算、および結果の分析の仕方をステップ・バイ・ステップで示します。
この応用は、顧客ロイヤルティをモデルするために、携帯電話会社の250人の顧客に複数の質問をした実データに基づいています。PLSPMモデルは、ヨーロッパ顧客満足度指数 (ECSI:European Consumer Satisfaction Index)に基づいています。ECSIモデルでは、潜在変数(直接には計測されない概念)が、下図のように相互連関しています。
各潜在変数は、1つかそれ以上の計測された顕在変数に関連しています。この応用例では、顕在変数は、0-100 尺度の質問です、たとえば、Image(イメージ)の潜在変数に関する5つの顕在変数は:
- その会社の言動が信用されているか
- その会社の安定性やファミリーの確立
- その会社の社会貢献
- その会社が持つ顧客への関心度
- その会社の革新性、先進性
このチュートリアルで使用するデータと結果を格納したXLSTAT-PLSPMのプロジェクト・シートは、こちらからダウンロードできます。
XLSTAT-PLSPMプロジェクトは、特別な Excelワークブック・テンプレートです。新規のプロジェクトを作成すると、そのデフォルトの名前はPLSPMBookで始まります。
自由な名前でプロジェクトを保存できますが、PLSPMプロジェクト用のフォルダに拡張子*.ppmx で保存するために、XLSTAT-PLSPMのツールバーの"保存" または"名前をつけて保存" コマンドを使用するようにしてください。さらに、プロジェクトを作成する際、表示タイプを選ぶダイアログ・ボックスが現れます。満足度分析の枠組みでは、我々はダイアログ・ボックスと出力を単純化するマーケティング・モードを使用します。
注意:PLSPathModeling_ECSI.ppmファイルを開くと、グラフィカルな表示がよくないかもしれません。これは表示がパソコンの画面設定に依存するためです。表示を改善するには、 "PLSパス・モデリング"ツールバーの "表示の最適化"ボタン(下図)をクリックしてください。
未使用のXLSTAT-PLSPMプロジェクトは、消去できない2つのシートを含みます: - D1: このシートは空欄で、ワークシート中で使用したいすべての入力データを追加する必要があります。
- PLSPMGraph: このシートは空白で、モデルを設計するために使用します。このシートを選択すると、ページの左上に"パス・モデリング"メニューが表示されます。
既存のプロジェクトを開くと、PLSPMメニューのXLSTAT-PLSPM オプション をクリックして、いつでも表示モードを変更できます。
このチュートリアルでは、我々は顧客満足度分析でPLSパス・モデリングを使用できるマーケティング表示に焦点を当てます。プロジェクトを保存関数を用いてプロジェクトを保存してください。 注釈: 従来のExcel関数ではなく、常にPLSPM関数を用いて.ppmx プロジェクトを保存したり開いたりします。
そして、Excel ファイルに利用可能なデータをコピーして、プロジェクトのD1 シートにそれらを貼り付けます。それをすると、モデルの作成を開始する準備ができます。PLSPMGraph シートに移動してください。シートの左上隅にツールバーが表示されています。
続けて複数の潜在変数を作成するには、楕円のボタンをダブルクリックして、それを押し下げたままま変数を追加できるようにします:
そして、潜在変数がどのように関係しているかを示す矢印を追加できます。矢印を追加するには、矢印を開始する潜在変数をクリックして、Ctrl を押して矢印の終端の潜在変数をクリックします。そして、矢印ボタンを押すか、 ショートカット・キー Ctrl+Lを使用します。
もう1つの方法は、7番目のボタンを用いて事前に定義されたモデルを読み込めます。すでに有名なモデルの一覧を格納しているライブラリからモデルを読み込むことができます。選択されたモデルが、自動的にプロジェクトにインポートされます。 PLSPM モデルには、拡張子 .ppmxmodがついています。
すべての矢印を追加したら、各潜在変数に関係する顕在変数を定義できます(これは潜在変数を追加した後でもできます)。潜在変数に顕在変数を追加するには、潜在変数を選択して、ツールバーのMVボタンをクリックします:
これでD1 シートが有効になり、ダイアログ・ボックスが表示され、そこで潜在変数に適切な名前を与え、D1 上の顕在変数を選択し、若干の設定を定義します。
モデルが定義されなければなりません。モード A (reflective モデル) では、潜在変数は顕在変数で測定されたものに関与し、モードB(formativeモード)では、顕在変数が潜在変数を構成します。我々の事例では、我々は、顕在変数と潜在変数がモードAでリンクされることを仮定します。
こちらが、expectation 潜在変数のダイアログ・ボックスの設定です:
得られるモデルは下記の形式をとります:
各潜在変数で顕在変数が定義されて潜在変数がリンクされると、モデルの計算を開始できます。モデルを実行するには、プレイ・ボタンをクリックします。
これは、たくさんのオプションがある実行ダイアログ・ボックスを表示します。このチュートリアルでは、下記のオプションが使用されました:
我々の事例では、顕在変数の尺度に自動モードを使用し、潜在変数には 0-100 尺度を使用します**。** オプションタブの設定は変更せずにデフォルトのままにします。出力タブは下記のように設定します:
シミュレーション表オプションを有効にして、説明されるべきSatisfaction 潜在変数を選択します。我々はこの特別な変数でのモデル変数への変更の効果を調査したいからです。変更の尺度は、パーセンテージで -10% から 10% までの 1% きざみで定量化されます。 IPMA 表 (Important Performance Matrix Analysis)も有効にします。
PLSPMプロジェクトの出力の結果と解釈
結果の最初に部分は、データと作成されたモデルに関する情報を収集します(顕在変数に関する記述統計量とモデルの仕様)。
最初の重要なことは、ブロックの1次元性をチェックすることです。我々のケース (reflective 変数)では、ブロックは1次元であるはずです。コンポジット信頼度表が、この情報を提供します:
Cronbachのアルファ が、Expectation および Loyalty 変数で しきい値 0.7 より低いですが、 Dillon and Goldstein’s rho が、すべての変数でしきい値 0.7より高いです。最終的に、第1固有値がすべてのケースで第2固有値よりも高いです。それらの結果から、ブロックが1次元であるとみなせますが、expectation と loyaltyでは補足の次元を調査することが興味深いかもしれません。Complaint 潜在変数は、単一の顕在変数に関連しているので、表には現れません。
The next ta・ble contains information on the goodness of fit index.
絶対 GoF = 0.484です。これは、ブートストラップ推定にとても近いです。この値は解釈しにくいです。 これは、異なる個体のグループまたは異なるモデルを比較するのに、よく使用されます。内部(inner)および外部(outer)モデルに基づく相対 GoF および複数のGoFがとても高く、データへのモデルの適合度が高いことを反映しています。
続く2つの表は、定量モデルに関する外部重みと相関を表示します。
定量モデルが調査されると、構造モデルを分析できます。各潜在変数が複数の出力に関連づけられます。我々はsatisfaction 変数の出力をコメントします:
この潜在変数がよく説明されているとみなせます (R²=0.681)。 perceived quality が、satisfaction(満足度) で最も重要な効果を持ち、perceived valueがそれに続くことががわかります。 expectation のインパクトは有意ではありません。最後の表は、先の結果を要約します。perceived quality がR²に 59%の寄与度を持ちます。
続くグラフは、今コメントした表を図解します:
次に、IPMA (Importance Performance Matrix Analysis)から始まるマーケティング分析に関係する出力が表示されます。IPMA は、目的変数での潜在変数の重要度とパフォーマンスを可視化できます。こちらが、satisfaction 変数のグラフです:
quality が最も重要でパフォーマンス(成績)の高い潜在変数であることがわかります。すでに高すぎるので、この変数のパフォーマンスを上げるのは難しいでしょう。同じ重要度を共有するexpectation および image 変数がこれに続きます。Image は、より低いパフォーマンスを持ち、他の変数よりも改善がより容易そうなので、興味深いでしょう。
そして、シミュレーション・グラフが表示されます。まず、顕在変数について:
最初のグラフは、satisfactionでの顕在変数のX%の増加の効果を要約します。 10% の変化では、下図が得られます:
QUALITY5 変数が最も強い効果を持ちます。
続くグラフは、今のと同じですが、基準として平均値を使用しています。
そして、潜在変数への変更が調査されます:
っここで、quality の10%の増加がsatisfaction での17%の増加をもたらすことがわかります。平均に基づく同じグラフが次に表示されます。
残りの出力では、潜在変数スコアや関連する記述統計があります。それらのスコアは、 XLSTATでの他の分析にも使用できます。
この分析は、満足度モデルを用いてデータセットを調査する方法を示しました。我々は、PLS パス・モデリング・アプローチの使用が、概念間の相互作用の理解を簡単にすることを説明しました。モデルが検証されると、係数の解釈や結果の分析は、とても簡単です。
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