Excelでの正準コレスポンデンス分析 (CCA)チュートリアル
正準コレスポンデンス分析
正準対応分析(CCA)は、生態学者が多数の種を環境変数に関連付けられるようにするために開発されてきたものです(Ter Braak, 1986)。しかしながら、この方法は、そのほかの領域でも用いることができます。エリアマーケティングやデモグラフィック分析で利用可能です。
CCAを用いるために、必要なことは:
- 複数のサイト(場所)で数えられたオブジェクト(生態学では種)の度数を含むクロス表X、
- 同一のサイト(場所)で測定された記述変数の表Y
- オプションとして、Yを用いてX内の変動を説明しようとする前に取り除きたい効果の記述的情報を含んだ第3の表Z。この場合、この手法はpartial CCAと呼びます。
目的は、オブジェクト、サイト、変数が表現されたマップを作ることです。
正準コレスポンデンス分析を実行するデータセット
データと結果のExcelシートはこちらからダウンロードできます。
データは、熱帯地方の12サイト(箇所)における10種の昆虫の数に対応しています。2番目の表(赤字で表示されている)は、その12サイト(箇所)について記述した量的変数を3つ含みます(高度、湿度、湖までの距離)。
この正準コレスポンデンス分析の目的
我々の目的は、3つの記述変数がその種の昆虫の度数を説明するのに役立つかどうかを見つけることです。
正準コレスポンデンス分析のセットアップ
CCAダイアログボックスを起動するには、XLSTATをスタートし、それからXLSTATメニューの パス・モデリング / 正準対応分析コマンドを選択するか。
ボタンをクリックすると、ダイアログボックスが現れます。サイト/オブジェクト・データ(ここでのオブジェクトは種)を選択し、それからサイト/変数データ(Excelシートの赤字で示された部分)に対応するデータを選択します。
サイト・ラベルを選択し、我々が選択の中にヘッダが含まれることがXLSTATにわかるように、列ラベルオプションをチェックしてください。
オプションタブをアクティブにし、昆虫の観測された頻度に対して3変数の効果が有意かどうかを検定するため、並べ替え検定オプションをチェックします。1000回の無作為並べ替えを実行することにします。
下図の2つの図のように、出力とチャートのオプションを選択します。
OKボタンをクリックすると、計算が始まり、結果が新規のExcelシートに表示されます。
正準コレスポンデンス分析の結果の解釈
結果の最初は、様々な変数の記述統計になっています。分割表の行と列の統計データが表示されています。ここでは、クロス表は各サイト(場所)での昆虫の頻度に対応しています。"重み付き平均"は、2番目の表の変数の平均値に対応しており、最初の表の行の周辺度数によって重み付けされています。
Next we see the results of the permutation test.
検定で、サイト/種データが、有意水準5%ではサイト/変数データと線形的な関係ではないことが結論づけられます。よく見てみると、p値がちょうど我々が選んだしきい値を超えています(0.089に対して0.05である)。よって、結論は、明らかではありません。さらに、これがすべての変数について真であるかどうか、もしくはいくつかの変数がその他の変数よりも結果をより説明するかどうかをチェックしなければなりません。
次の表には、制約つきCCA(説明変数を用いる分析)と制約なしCCA(制約なしCCAとは、制約つきCCAの残差のコレスポンデンス分析である)との間で、どのようにイナーシャが広がっていくかが示されています。
ここで、制約つきCCAについてイナーシャの40%だけが対応することがわかります。制約なしCCAの結果を見ると、うまくいっているようで、ここではサイトと種の関係を深く分析するべきではありません。しかしながら、チュートリアルを簡潔にするため、ここでは制約つきCCAの結果(レポートでは単純CCA結果と名付けられています)にのみ焦点を当てることとします。
CCA固有分析では、イナーシャのほとんどが第1軸でもたらされることがわかります。第2軸で、イナーシャの92.5%を得ます。これは、2次元CCAマップが、サイト、種、変数間の関係を分析するのに十分であろうということを意味しています。
CCAマップ(下図参照)によりオブジェクト(ここでは昆虫の種)、サイト、変数を同時に可視化することができます。
種Insect4とInsect5に関して、その頻度は、湿度が高く、高度が低いことに関連していることがマップでわかります。Insect7は湖までの距離に敏感であるようです。Insect9は高い高度を好み、または低い湿度を好むようです。
注意:もしCCAマップで“Objects”を“Species”に変更したければ、対応する系列のポイントをクリックするだけでできます。そして、Excelの数式バーで“Objects”を“Species”に変更してください。
お問合わせは、マインドウエア総研へ。
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