Excelでの複数計画によるMaxDiff分析チュートリアル
このチュートリアルは、XLSTATソフトウェアを用いてExcel内で複数計画を持つMaxDiff 分析を計算して解釈する方法を説明します。
MaxDiff 分析 は4つのステップに分かれています:
- 製品を説明する関連属性を選択。
- 不完備ブロック計画に基づく実験計画を生成。
- Microsoft Excelシートに結果を収集。
- 特定の手法: ロジットまたは 階層ベイズでデータ分析。
このチュートリアルでは、XLSTATによりMaxDiff 計画を生成し、MaxDiff分析を実行するのに必要なステップを詳細に説明します。
MaxDiff 分析を実施するデータセット
このチュートリアルでは、観光マーケティングに基づくMaxDiff 分析の簡単な事例を見て行きます。あるホテル・ブランドが新しいホテルを開きたいと考えていて、そのオファーを定義するために、休暇先の属性の重要性を理解したいと考えています。
結果は異なるシートに分かれています:
- Attributes: このシートは、製品を記述するために選択された属性を格納しています。
- Designs for MaxDiff: このシートは、生成された計画および5人の回答者による選択を格納しています。
- MaxDiff: このシートは、階層ベイズによるMaxDiff 分析の結果を格納しています。
このチュートリアルの目的
このチュートリアルの目的は、 MaxDiff 分析を用いて、観光の目的地を選ぶ際に旅行者にとって最も重要な基準を識別することです。分析のステップは、以下のように表されます:
ステップ 1: 属性の選択
このMaxDiff 分析の最初のステップは、観光マーケットの専門官とのコラボレーションで行われます。我々は、観光の目的地を定義する重要な属性を選ぶことにフォーカスします。 選択された属性は以下です:
- Quality beaches(質の良いビーチ)
- Cultural activities(文化活動)
- Nightlife(夜の娯楽)
- Luxury hotel offer(贅沢なホテル)
- Shopping around(周辺でのショッピング)
- Entertainment(エンターテイメント)
- Wildlife around(周辺の野生生物)
- Local cuisine(郷土料理)
これらの属性の中で、どれが旅行者にとって最も重要であるかを評価しようとしています。MaxDiff は、回答者に属性の集合を提示します。それぞれの集合で、回答者は、どの属性が最も重要か、どれが最も重要でないかを選ぶように求められます。
ステップ 2: 比較の生成
XLSTATは、回答者が比較する属性の集合を作成することを可能にします。実験計画法が使用されます。
XLSTATを起動すると、 CJTアイコンをクリックして、MaxDiff分析の計画機能を選びます。
ボタンをクリックすると、ダイアログ・ボックスが現れます。
そして、分析名を入れて、属性名を選択し、比較の数(8) と属性の各集合のサイズである比較ごとのプロファイル数(4)を入れてください。これらの値は、有意な結果を得るために十分大きくしつつ、回答者がアンケートに回答するのに時間がかかり過ぎないように、ユーザーによって選ばれなければなりません。
出力 タブでは、組み合わせ / 回答者形式を選びます。これは組み合わせが行になり、回答者の回答が列になることを意味します。
我々は2種類の計画を生成することを選び、計画ごとの回答者および比較数を選びます。 これにより、単一の計画よりも多くのさまざまな組み合わせが可能になり、回答者の心理的影響を軽減できます。
OKボタンをクリックすると、計算が実行され、そして、結果が表示されます。
メインの表は、選択の表で、 Max-Diffシートの計画の中に表示されており、個人(回答者)にインタビューを行った後に完成されなければなりません。選択は、各個人ごとに1 から 4 の間です。個人ごとに2列あり、最も重要な属性 (best) に1列と最も重要でない属性(worst)に1列です。
ステップ 3: MaxDiff分析表の記入
Max-Diff 分析表は、個人へのインタビューの後、彼らの選択を直接記入するか、個人シートと結果の自動参照を用いて記入されます。全体の表を完成させるのは複雑になるので、これは、Max-Diff 分析では特別な関心事です。
我々のケースでは、individual 1 は、最初の集合または組み合わせ(C1)で提示された4つの属性のうち、Entertainment が最も重要で、wildlife around が最も重要でないと考えています。
ステップ 4: MaxDiff分析の実行
この分析の一部として、5 人の個人が旅行の目的地として、彼らの好みを質問されました。結果が、MaxDiff シートにあります。
MaxDiff 計画が回答者によって記入されると、分析を実行する準備ができています。1つの方法は、分析を実行ボタンを押すことで 、読み込まれたデータでインタフェースが自動で立ち上がります。
または、CJT アイコンをクリックして、MaxDiff 機能を選ぶこともできます。
そして、データを選択できます。
データ選択を促して、必要な2つのデータセット(回答者と組み合わせ)を手動で選択するのを避けるために、マジック・スティックをクリックすることができます。これは、MaxDiff 計画がXLSTATで生成され、計画を格納するワークシートを手動で修正していないなら、2つのデータセットを自動で読み込みます。 新しいウィンドウがポップアップします。XLSTATで生成されたMaxDiff計画を格納するワークシートのセルのどれかを選択してください。この事例では、Design for MaxDiff シートのB1 セルを選択しました。そして、OKをクリックします。
また、手動でデータを選択することもできます。回答者フィールドで、回答者が提供した回答の表の10 列を選びます。選択の表では、4つの属性列を選択します。
オプション タブでは、階層ベイズ 法を選択し、他のすべての値をデフォルトのままにします。
OK ボタンをクリックすると、計算が実行され、結果が表示されます。
MaxDiff 分析の解釈
Max-Diff スコアは、合計が100になるように再尺度化された係数として表示されます。Individual 1 が shopping around とluxury hotel offer をとても重要と考えていることがわかります。そして、 Entertainmentも重要ですが、それほどではありません。
そして、記述統計が表示されます。Mean(平均)の列をチェックすると、 shopping around、cultural activities および luxury hotel offerが平均で最も重要な属性であることがわかります。
下のチャートのように、平均MaxDiffスコアを可視化できます。
この予備調査の後、我々は、ホテル・チェーンに、ショッピングが可能で文化活動つきの豪華なホテルに焦点を当てることをアドバイスすることでしょう。
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