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Excelでの階層分析法(AHP: Analytic Hierarchy Process)チュートリアル

このチュートリアルは、多基準意思決定支援法である 階層分析法(AHP: Analytic Hierarchy Process) をExcel内でXLSTATを用いて使用する方法および結果を解釈する方法を示します。

階層分析法(AHP: Analytic Hierarchy Process)とは?

AHPは基準の階層化に基づく意思決定支援法です。これは、基準数が妥当で、ユーザーが彼の問題の要素を2つずつ評価できる場合によりよく適します。XLSTATで提案されているAHP 機能は、基準数、サブ基準数、代案数の制限がなく、大勢の評価者が参加できるという利点を持ちます。

AHP 分析で使用するデータセット

データと結果のExcelシートは、下のボタンをクリックしてダウンロードできます: データをダウンロード データは新しい自動車の購入に関する問題のパラメータです。Steeve、Owen、Jackという3人の評価者が意思決定を行います。 基準は、自動車のcost(コスト)、safety(安全性)、capacity(キャパシティ)、style(スタイル)です。基準 cost は、purchase price(購入価格)、fuel cost(燃料コスト)、maintenance(メンテナンス)、resale(売却)のサブ基準に分割されています。基準 capacity は、number of passengers (乗員数)と capacity of cargo(荷室の容量)の2個のサブ基準を含みます。 すべての基準とサブ基準を用いて6種類の自動車モデルが評価されます。問題の解決策は、代案と呼ばれます。データは、下記のように表でグループ分けされています: このチュートリルの目的は、3人の評価者の意見によって、どの自動車がベスト・チョイスであるかを見つけることです。

XLSTATによるAHP分析のセットアップ

ステップ 1: AHP 計画を生成

最初のステップは、DHPツールで実験計画を生成することです。XLSTAT を起動して、メニュー XLSTAT / 高度な機能 / 意思決定支援 / DHPをクリックしてください: AHP 分析の計画 ダイアログボックスが現れます。 一般タブでは、代案フィールドで自動車のリスト(デモExcelファイルのDataシート)を選択してください。 そして、基準のフィールドでCriteriaという名前の列を選択してください。サブ基準のフィールドで 4 つのサブ基準の列を選択し、最後に、評価者ラベルのフィールドでそれを含む列を選択します。

OK ボタンをクリックすると、実験計画が生成され、AHP計画という名前の新しいシートに表示されます。 データ要約表、Saatyの表、計画の比較表への記入に関するイントロダクションが、出力シートに表示されます。

Saaty の表は、比較表を記入するために3人の評価者が使用するべき値を提供します。下の表は、評価者 Owenによる基準比較表への記入の例です。 たとえば、Owen はcost 対 style を 7と評価しました。Saaty 尺度によると、これは cost 基準がstyle基準と比べてiとても重要であると判定されていることを意味します。

ステップ 2: AHP分析の実行

すべての表が完成されると、XLSTAT / 高度な機能 / 意思決定支援 / AHP メニューを選択してするか、計画表の下にある分析を実行 ボタンをクリックして、AHP 法ダイアログボックスを開いてください。 一般タブではI、XLSTATが生成したDHPシートのセルのどれかを選びます。 OK ボタンをクリックすると、計算が始まり、結果がAHPという名前の新しいシートに表示されます。

AHP 分析の結果の解釈

最初の結果は、評価者によって得られた結果の平均値を表す表とグラフです。下は各評価者について得られた結果の表とグラフを表します。

結果は、基準の表、サブ基準の1つまたは複数の表、代案の表で与えられます。グラフィカル・オプションが有効になっていると、結果がチャートでも表示されます。

この事例では、意思決定に最も影響するのは、 cost 基準、とくに、サブ基準purchase priceです。 これらの優先度に基づくと、自動車Elementが問題に答えると思われます。 しかし、すべての基準を考慮に入れると(各自動車モデルに関するの基準の重みを合計すると)、我々は自動車 Odyssey がベストチョイスであろうことを示唆します。

AHP 分析をさらに進化させる

XLSTATのAHP機能は、2つのパラメータを計算してデータの整合度を検定することができます:コヒーレンスの指数とコヒーレンスの比。この検定は、比較表で入力されたかもしれない不一致をチェックすることができます。たとえば、コヒーレンスの比が 10% よりも大きければ、問題の比較表の評価を見直すことが推奨されます。

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