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Excelでの主座標分析チュートリアル

主座標分析

主座標分析(PCoA:Principal Coordinate Analysis )は、オブジェクト間の類似性指標を格納する正方行列で記述される2次元または3次元のチャート・オブジェクトを表現する手法です。

この手法は、Gower (1966)によるものです。これはノン・メトリックの多次元尺度法(MDS:Mutidimensional scaling)に対して、メトリックMDS とも呼ばれます。これらの手法は、平方距離の類似度行列がメトリックであり、次元が十分であれば、 同じオブジェクトを持ち、同様な結果をもたらします。

主座標分析を実行するデータセット

データと結果のExcelシートは、下記のボタンをクリックしてダウンロードできます: <データをダウンロード>

このデータは、10人以上のテスターが、5種類のチョコレートバーの評価(1から5のスコア)を行った(ただし、 product P1のみが既に市場に出ている)調査です。

これらのデータは、MDSのチュートリアルでも使用されています。 我々は、これらの手法を比較できる優位性を享受します。

MDSのチュートリアルでは、これらのデータからユークリッド距離の行列をどのように獲得されるかを示しています。 ここではMDSの前に得られたユークリッド距離の表を使用します。

我々の目的は、テスターの意見からマップ上で製品がどのようにポジショニングされるかを示します。

MDS 分析を実行するには類似度行列が必要ですが、我々は、ここで個人 x 製品の表を持っています。したがって、我々はまず 製品間の非類似度を計算する必要があります。それは、XLSTAtの類似度 / 非類似度行列 ツールを用いて行えます。

主座標分析のセットアップ

XLSTAT を起動して、XLSTAT / データ解析 / 主座標分析 コマンドを選択するか、データ解析ツールバーの対応するボタン(下図)をクリックします。

XLSTAT analyzing data menu principal coordinate analysis

ダイアログ・ボックスが表示されます。そして、Excel シート上でデータを選択し、下図に示すように適切なオプションを選ぶことができます。

ユークリッド距離の行列の場合、負の固有値が存在する危険がありませんので、オプション タブのオプションは、変更する必要がありません。

Principal Coordinate Analysis in Excel - XLSTAT: dialog box general tab

設定が完了したら OK をクリックしてください。

主座標分析の結果の解釈

主座標を用いて下のグラフが作成され、製品間の類似性が2次元で可視化できます。

XLSTAT PCOA in Excel

レポート中に表示される2乗cosineの表は、間違った解釈を避けることを可能にします: P1 と P3 のcosは、F1 と F2の両方でとても低く、これらのポイントが F1/F2 の平面からとても離れていることがわかります。座標の表に着目すると、F1/F2 のマップでは近くに存在するように見えるP1 と P3 が、実際には離れていることがわかります。XLSTAT-3DPlot で作成された3次元のグラフは、よりよい可視化を可能にします。

pcoa4.gif

PCoA の出力を MDSのそれと比較することは興味深いことです。3次元の表現がほとんど同じでも、2次元のマップはまったく異なるかもしれません。これは手法の違い、最適化された基準の違いによって説明されます。stressを最小化するために、 MDSは変形を可能にしますが、一方 PCoA (PCAと同様に)は、回転と射影を可能にするのみです: PCA やPCoAでは、2次元表示は、可能な限り分散を保持しながら、3次元表示を2次元空間に射影したものです。MDSでは、2次元表示は、オブジェクト間の距離を可能な限り尊重するように3次元の配置を歪めます。これらの2つの手法はまったく異なりますが、同じ目標を共有しています。距離とランキングが尊重されるようなマップが欲しい場合は MDSを使用します。歪みのない"本当の"配置で単純に回転/射影するマップが欲しい場合はPCoAを使用します。間違った解釈を避けるために、2乗cosineを使用して、PCoA はポイントが見えているように本当に近いかどうかを確認する方法を提供します。PCoA の解は一意ですが、MDSは複数のローカル・ミニマムを持っているかもしれません。

PCOA versus MDS - MDS scalepcoa3.gif

注意: 3次元MDS配置上で実行した非標準化(共分散行列を使用した)PCAは、 PCoAの後で得られる2次元表現にとても近い結果を導きます。

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