追加変数および追加オブザベーションつきPCAの実行
このチュートリアルは、XLSTATソフトウェアを用いてExcel内で追加の変数およびオブザベーションつきの 主成分分析 (PCA:Principal Component Analysis) をセットアップして解釈することを支援します。 これがあなたの必要とする多変量解析であるかどうか不確かな場合は、こちらのガイド を参照してください。
Excelで追加の変数およびオブザベーションつきの主成分分析を実行するデータセット
データセットは架空です。10 ポイント・スケール (1 = その製品が嫌い; 10 = その製品がとても好き)を用いて、20人の審査員の全体的な好みによって、12個の製品が評価されています。それに加えて、審査員たちは5ポイント・スケール (1 = その製品はまったく酸っぱく/甘くない; 5 = その製品はとても酸っぱい/甘い)を用いて、これらの製品の酸味と甘みを記すように求められました。我々は20人の審査員に基づく酸味と甘みの平均を表す2列を加えました。次の列 Texture は、味見された製品が濃厚か流動的かに関する情報を与える質的変数です。最後の2個のオブザベーションは、開発中の製品です。我々は、実際の市場を表す製品空間にそれらを位置づけようとしています。
このチュートリアルの目的
我々の目的は、どの製品がどの審査員に好まれるかを識別することです。また何がこれらの製品に対する審査員の好みを左右するかを理解し、そして、プロトタイプ(試作品)が製品空間でどのように位置付けられるかを知ることです。
主成分分析とは何か
こちらをクリックすると、主成分分析とは正確に言って何かに関するより詳細な情報があります。
なぜ追加の変数またオブザベーションなのか?
追加の変数とオブザベーションは、有効な変数やオブザベーションの座標の計算には使用されていません。しかし、それらは多くの場合、結果を解釈するのを助けるために有用です。それらは、相関またはオブザベーションのグラフ上のレイヤーのように表示されます。我々は3つのケースを明らかにします:- 量的追加変数: これらの変数は相関プロット上に表示されます。それらはPCAの計算では考慮に入れらていないので、どの次元の説明のパーセンテージにも影響しません。
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質的追加変数: 各オブザベーションが質的追加変数のカテゴリのどれかに属します。各カテゴリについて、問題のオブザベーションのセントロイドを計算して、オブザベーション・グラフにそれを表示します。
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追加オブザベーション: 各追加オブザベーションについて、すべての次元上でその座標を計算して、オブザベーション・グラフ上でそれを表します。
XLSTATを用いたExcel内での主成分分析のセットアップ
XLSTATを起動して、XLSTAT / データ解析 / 主成分分析 コマンド(下図)を選択してください。
主成分分析ダイアログ・ボックスが現れます。
この事例では、最初の行からデータが始まっているので、列選択を使用するのが素早く簡単です。これは、なぜ列に対応する文字が選択ボックスに表示されているかを説明します。 選ばれたデータ形式は、入力データの形式のため、オブザベーション/変数です。
追加データタブで、最後の行を追加オブザベーションとして、Acidity および Sweetness を量的追加変数として、そして、Textureを質的追加変数として選びます。また、オブザベーション・グラフに各カテゴリのセントロイドを表示するために、セントロイドを表示オプションをチェックすることができます。ここで、オブザベーションがそれらのカテゴリによってどのように色づけされるかがわかります。
チャートタブとオブザベーションサブタブで、グループごとに色づけオプションをチェックして、オブザベーションが属するカテゴリによってそれらを色づけするために、質的追加変数Textureを選択します。
XLSTATを用いたExcel内での主成分分析の結果の解釈
量的追加変数のある変数グラフの解釈の仕方は?
ここで、追加変数 Acidity および Sweetness が、酸味が特徴の製品を好む人、甘い味の製品を好む人、という2種類の消費者を識別することを可能にします。この情報なしでは、それらの消費者の2つのクラスタの間の違いを説明することができないでしょう。オブザベーション・グラフの右側の製品は、酸味で特徴づけられており、右の審査員のクラスタに好まれます。オブザベーション・グラフの左側の製品は、甘みで特徴づけられており、左の審査員のクラスタに好まれます。
質的追加変数と追加オブザベーションのあるオブザベーション・グラフの解釈の仕方は?
このグラフでは、製品 (P1, P2, P3, P7) の1つのグループが、相関プロットの右半分にある審査員に好まれることがわかります。これらの消費者は、これらの製品の酸味が好きです。 Best 1 プロトタイプは、この種の消費者の期待に適した製品のようです。さらに、この製品のグループは、fluid texture(流動的)の特徴があります。 一方、製品 P10, P11, P12 は、相関プロットの左半分の審査員に好まれます。この種の消費者は、甘みがあり濃厚な特徴の製品が好きなようです。 Best 2 は、この種の消費者向けに良い候補のようです。
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