Excelでのデミング回帰による手法比較チュートリアル
デミング回帰による手法比較
要素(分子、微生物)の濃度または量を測定するための新しい手法を開発するとき、それが参照手法または競合手法と同様な結果をもたらすかどうかを確認したいでしょう。
Deming (1943) は、測定誤差がXとYで表現されると仮定する2つの測定手法(たとえば、検体の濃度を測定する2つの手法)を比較できる回帰手法を開発しました。これは、この応用には不適切な従来の線形回帰の仮定を克服します。XLSTAT-Lifeは、他と比較して手法の性能を評価する Deming 回帰を提供します。
XLSTAT-Lifeは、単純なデミング回帰と重み付きデミング回帰の両方を含みます。重み付きデミング回帰は、誤差が比例的であることを仮定し、単純なデミング回帰は、誤差が一定であることを仮定します。
デミング回帰による手法を比較するためのデータセット
このチュートリアルで使用するデータと結果のExcelシートは、こちらをクリックしてダウンロードできます。
データは、テストされている新しい分子が8種類の用量で投与された8匹のマウスで、抗体の濃度が測定される医学実験です。各マウスについて、血液サンプルが採取され、4つの均質な副標本に分割されています。2つの手法が、4つの副標本の2つでそれぞれテストされています。ここでは第1の手法が 参照とみなされますが、それは第2および新しい手法よりもかなり高価です。
我々の目的は、参照の手法に代わって新しい手法が使用できるかどうかを確認することです。
デミング回帰のセットアップ
XLSTATを起動すると、 手法比較 / デミング回帰 機能を選択するか、手法比較 ツールバーの対応するボタン(下図)をクリックしてください。
ボタンをクリックすると、ダイアログ・ボックスが現れます。第1の手法に対応するデータを選択し、そして、第2の手法に対応するデータを選択します。
OK をクリックすると、計算が実行されて結果が表示されます。
デミング回帰の結果の解釈
最初の表は、2つの手法の記述統計量を表示します。新手法は、平均も分散も大きいです。
そして、モデル係数が表示されます。
切片値は -1.895 で、信頼区間が0を含みます。この値は、2つの手法の間の系統的差異が0に等しいことを示します。信頼区間に 0 が含まれる場合、切片が0であるという仮説が棄却されません。
スロープ係数は 1.22 に等しく、信頼区間が1を含みます。それは、2つの手法の間の 比例的差が1に等しいことを意味します。信頼区間に1が含まれる場合、スロープが1に等しいという仮説が棄却されません。
信頼区間はジャックナイフ法を用いて得られます。
我々は、2つの手法の間に系統的差も比例的差もないと言えます。
回帰グラフで、これらを確認できます:
結論に至る前に、我々は、我々のモデルが線形モデルに適合することを検定するべきです。その目的で、線形性の検定が適用されます。
検定が棄却されないので、我々は両手法に有意な差がなく、安価な新手法を古い手法に置き換えることが可能であると言えます。
お問合わせは、マインドウエア総研へ。
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