Excelでの簡単なシミュレーション・モデル
シミュレーション・モデル
シミュレーション・モデルは、正確な値を持っていないが、分布がわかるか、それとも仮定できるような変数での、平均値または中央値、信頼区間のような情報を得ることができます。いくつかの"結果"変数が、既知または仮定された式で与えられる"分布"変数に従属であるならば、その"結果"変数もある分布を持ちます。 Simは、分布を定義して、シミュレーションによって、入力と出力変数の経験分布や対応する統計量を得ることができます。
シミュレーション・モデルは、金融や保険、石油やガスの探査、会計、売上予測など、さまざまな分野で使用されています。
シミュレーション・モデルの構築には4つの要素があります:
- 分布 は、確率変数に関連します。XLSTATは、ある変数が取り得る値の不確実性を記述するために30以上の分布の選択を提供します。 たとえば、もし2つの境界の間を変動して、最もありそうな値(最頻値)を持つ量がある場合、三角分布を選ぶことができます。シミュレーション・モデルの計算の各繰り返しでは、 定義された各分布について、無作為抽出が実行されます。
- シナリオ 変数は、値が2つの境界の間を変動し得るトルネード分析の場合を除いては、モデル中で固定された量をシミュレーション・モデルに含めることができます。
- 結果 変数は、モデルの出力に対応します。それらは、1つまたは複数のExceの数式によって、分布が関連づけられた確率変数に、そしてもし存在すれば、シナリオ変数に従属します。シミュレーション・モデルの計算の目的は、結果変数の分布を求めることです。
- 統計量 は、結果変数に関する統計量を追跡することができます。たとえば、結果変数の標準偏差を監視したい場合もあります。
正しいモデルは、少なくとも1つの分布変数と1つの結果変数からなります。モデルは、これらの4つの要素をいくつでも含むことができます。モデルは、単一のExcelシートに制限されるか、またはExcelフォルダー全体を使用することができます。
簡単なシミュレーション・モデルの作成と実行のためのデータセット
このチュートリアルで使用するデータと結果のExcelシートは、こちらをクリックしてダウンロードできます。
このチュートリアルでは、シミュレーション・モデルの基本を説明するために、2つの分布と1つの結果を用いて、とても簡単なシミュレーション・モデルが構築されます。さらに4つのモデル要素とオプションのすべてを用いたチュートリアルが、次のリンクにあります:シナリオ変数, 分布シミュレーション, および 相関.
我々のシミュレーション・モデルは、ショップの売上とコストに基づきます。この簡単なケースでは、利益は、単純に売上とコストの差です。”分布あてはめ”ツールによって分析されたコストと売上に関する実績データに基づいて、コストが正規分布(mu=120, sigma=10) に、売上が正規分布(mu=80, sigma=20) に従うことを発見しました(詳細は、分布のあてはめのチュートリアルを参照)。
このモデルに基づいて、さまざまなモデル変数が作成されます:
このモデルは、シートModelの中にあります。
簡単なシミュレーショnレーション・モデルの作成
最初の分布変数の作成
最初の分布変数を作成するために、売上高に対応するセル B2を選択します。
XLSTATを起動して、XLSTAT / Sim / 分布を定義コマンドを選ぶか、Simツールバーの対応するボタン(下図)をクリックしてください。
分布の定義ダイアログが現れます。そして、"変数名"として、 名前“Sales”を持つセルA2を選びます。mu = 120 と sigma = 10の正規分布を選びます。
OKをクリックすると、アクティブ・セルに対応する関数コールが挿入されます。
2番目の分布変数の作成
そして、2番目の分布変数を同じ要領で生成できます。このケースでは、mu = 80 と sigma = 20の正規分布を選びます。対応するダイアログ・ボックスはこれです:
結果変数の作成
数式 =B2-B3 の結果である値40を格納している結果セルをアクティブ・セルとして選びます。そして、XLSTATメニューのXLSTAT / Sim / 結果変数の定義コマンドをクリックするか、Simツールバーの対応するボタンをクリックします。
結果変数の定義ダイアログが表示されます。変数名としてセルA4を選択します。
OKをクリックすると、対応するXLSTAT_SimResの関数コールがアクティブ・セルに挿入されます。
これは、Excel シート Modelにあります。
簡単なシミュレーション・モデルの実行
シミュレーション実行を開始するために、XLSTAT / Sim / シミュレーション - 実行 コマンドを選択するか、Sim ツールバーの対応するボタンをクリックします。
シミュレーション - 実行 が表示されます。シミュレーションの回数を1000に設定できます。
オプションタブでは、トルネードとスパイダー分析のパラメータを入力します。
OKをクリックすると計算が始まります。
簡単なシミュレーション・モデルの結果の解釈
最初の結果は、シミュレーション・モデルの要約です。
そして、2つの分布変数と結果変数の詳細が表示されます。
以下の表は、2つの分布変数に関する詳細を示します。記述統計、ヒストグラム、分位数に関する統計量が表示されています。
次の表は、結果変数の詳細を示します。記述統計量、ヒストグラム、区間に関する統計量が表示されています。そして、感度分析の結果が示されます。感度分析は、下に示されるトルネード分析とは異なり、シミュレーションに基づきます。
次のセクションは、トルネード分析です。
トルネード分析は、シミュレーションの繰り返しには基づかず、すべての入力変数(分布を持つ確率変数とシナリオ変数)の逐一分析に基づきます。
トルネード分析の間、各結果変数について、各入力確率変数と各シナリオ変数が1つずつ調査されます。各確率変数とシナリオ変数が結果変数にどのように影響するかを知るために、我々はそれらの値を2つの境界間の変動にして、結果変数の値を記録します。 確率変数に関しては、パーセントまたは偏差で定義された範囲で、中央値の周辺か、デフォルト・セル値の周辺に値が探索されます。シナリオ変数に関しては、変数の定義のときに指定した2つの境界間で、分析が実行されます。ポイントの数はオプションであり、シミュレーション・モデルの実行の前にユーザによって修正できます。
このダイアグラムで、コストが利益に強く影響していることがわかります。これらの結果は、シミュレーションの繰り返しには基づきません。
最後に、分布と結果の変数の相関行列が表示されます。コストと売上は相関していないことがわかります。しかし、利益は、もちろん、売上とコストに相関します。
この記事は役に立ちましたか?
- ウイ
- いいえ