Excelでのヒートマップ(OMICS)チュートリアル
XLSTATでヒートマップ分析を実行するためのデータセット
このチュートリアルでは、1つのトウモロコシ葉からラベル・フリー・ショットガン・プロテオミクスに基づく4つの抽出法によって抽出された19個のサンプルで測定された1847個のタンパク質のデータ表を用います(Langella et al. 2013)。 我々は、このデータセットを提供して、このチュートリアルでの使用を許可してくれたPAPPSO platform (Gif-Sur-Yvette, France) にたいへん感謝します。
タンパク質が行に、サンプルが列に格納されています。
データと結果のExcel シートは、ここちらをクリックしてダウンロードできます。
このチュートリアルの目的
このチュートリアルの目的は、合成的方法で特性のクラスタリングとサンプルのクラスタリングを同時に分析するために、ヒートマップ探索データ解析ツールを使用することです。我々は、さらに類似した特性(我々の事例ではタンパク質)のクラスタが、類似したサンプルのクラスタに対応するかどうかを確認することができます。
XLSTATでのヒートマップ: 分析のセットアップ
XLSTATでヒートマップ分析を実行するには、OMICs / ヒートマップをクリックします。一般タブで、特性/個体の表フィールドで、データ行列を選択します。ここでは、個体はサンプルのことです。タンパク質はデータセット中で行に格納されているので、行に特性オプションを変更する必要はありません。
オプション・タブでは、非特異性フィルタリング・オプションを有効にして、**四分位範囲<**を選択して、しきい値を0.25と入れます。これは、0.25よりも低い(すなわち、低い変動の)四分位範囲のすべてのタンパク質を除去します。これは、ヒートマップの可読性を強化します。
欠損値タブでは、最近傍アルゴリズムを用いて欠損値を推定するようにセットします。
チャート・タブでは、ヒートマップのカラースケールを選んで、チャートのサイズを最適化するように、幅と高さを調節します。
XLSTATでのヒートマップ: 出力の分析
まず最初に、我々は、ヒートマップを計算するに先立って、非特異性フィルタリングで、1597個のタンパク質が除去されたことがわかります。
ヒートマップ・チャート: タンパク質が行にクラスタされ、サンプルが列にクラスタされます。
サンプルとタンパク質のデンドログラムを別々に分析すると、次のことが明らかになります:
- タンパク質は膜特異性のタンパク質とその他のタンパク質に大まかに2つのグループに分けられる(左のデンドログラム)。
- サンプルは3つのグループに分けられる(上のデンドログラム)。左側の大きなクラスタは、 URZB およびURNB 抽出法で測定されたサンプルである。中間のクラスタはTCA1 法で測定されたサンプルを含み、右側のクラスタはTEAL法を含む。
マップは、デンドログラムによって並べ替えられたデータセット中の値を表します。
マップの中の長方形/正方形のパターンに注目しましょう。
- 左側の緑と赤の大きな長方形は、URZB および URNB 法を用いて抽出されたサンプルを示し、下側のクラスタに比べて、上側のタンパク質のクラスタが相対的に高い発現を持つ。
- 一方、TEAL のサンプル(マップの右側部)は、タンパク質量の反転パターンを示す(上側のタンパク質クラスタでは相対的に低く、中間のクラスタでは相対的に高い)。
- 最後に、TCA1サンプル(中間のクラスタ)は、ほとんどのタンパク質で中間の量を示すことがわかる(それでも、マップの上側のタンパク質は、下側のタンパク質よりも多く測定されていることがわかる)。
参考文献
Langella O, Valot B, Jacob D, Balliau T, Flores R, Hoogland C, Joets J, Zivy M(2013) Management and dissemination of MS proteomic data with PROTICdb: example of a quantitative comparison between methods of protein extraction, Proteomics. 2013 May;13(9):1457-66.
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